WEBライティングにおいて「推敲」はとても重要です。
WEBライターとして記事を外部に納品するのであれば、推敲は欠かせません。
宝石は粗い原石のままでは輝くことはありませんが、磨くことで輝きを増し、美しい宝石となります。
文章も最初は粗削りでも構いません。推敲によって言葉の選び方や表現方法を磨くことで、魅力的な文章になります。
この記事では
- 推敲と構成の違い
- WEBライターがすべき推敲の手順
- WEBライターの「推敲チェックリスト」
について丁寧に解説しています。
手順については例文などを用いながら分かりやすく解説していますが、チェックリストのみ活用していただいても構いません。
私がWEBライターとして記事を納品する際も使用しているチェックリストですので、ぜひ参考にしてみてください。
ボタンをクリックすると「チェックリスト」に飛べます。
今すぐチェックリストに飛ぶならこちら
推敲とは?校正との違いも解説
「推敲」とは、文章を書いた本人が後に繰り返し読み、必要な箇所を修正・追加する作業のこと
表現方法や言葉の使い方を再検討し、修正や改善を加えて文章をブラッシュアップ(=磨き上げ)します。
一方「校正」とは、一般的に文章を発注したクライアントや編集者、または専門の校正ライターなどが行う確認作業のこと
校正の内容としては
- 文章中の誤字脱字
- スペルや漢字の間違い
- 句読点の誤り
- 単語の誤用
- 文章の一貫性の確認
- 表記ゆれのチェック
などが行われます。
ただしWEBライティングにおける「推敲」には、「校正」の内容も含まれると考えて差し支えありません。
クライアントの作業負担を減らすことができれば、WEBライターとしての良い評価にもつながります。
良い評価はそのまま、継続契約や単価アップにつながる
なるだけクライアントから修正が入らない記事作成を心がけて、WEBライターとしてのレベルを上げていきましょう!
WEBライターがすべき推敲の手順
私が推敲のときに必ずしていることは、
なるべく頭を落ち着かせてから、声に出して読み上げる
ということです。
黙読では見落としてしまう誤字脱字も、声に出すことで容易に見つけ出すことができます。
また時間を置いてから読むことで多少なりとも客観的に文章を読むことができます。
冷静に文章を読み直すと、必ず
「恥ずかしい熱量で書いている文章」
「独りよがりの分かりづらい表現」
などが見つかります。
(夜書いた日記を朝読み返して、破り捨てたくなった中学生の頃を思い出します)
また、読むときは早口で読むのがポイント。
そうすると、文章の途中で詰まったり、読むスピードが遅くなったりする箇所が分かりやすいのです。
そういった「読みにくい箇所」や「読み間違えてしまう箇所」には、必ず何かの問題が潜んでいます。一緒に探していきましょう!
補足:
推敲だけではなく文章作成に大いに役立つ本として、時事通信社、共同通信社が出している用語集を紹介。
読み物としても面白く、ネットで調べるより絶対に確実で便利です。
WEBライターでそこまで求められるの?と思う方もいるかもしれませんが、プロとしての知識は必ず役に立ちます。
知識習得により他のWEBライターより何段階も上のレベルに行くことができるはずです。
要点がズレてない?文章の構成を再度確認しよう
作成した記事をあとで読み返してみると『要点がズレている』場合があります。
最初に書く内容が明確になっていないまま書き始めてしまった場合は、以下の点に要注意です。
- 一番伝えたい事が上手く伝えられていない
- 記事の主題がふわっと曖昧になっている
- 読み終えてみても、結局何が言いたかったのか分からない文章になっている
この場合は再度構成を見直してみましょう。
主軸となるキーワードと要点を再度確認し、自然な流れで話が帰着しているかが重要です。
分かりやすい文章を書くには構成が大切。
結論やポイントを先に書くPREP法を使えば、話の要点がズレることはありません。
PREP法は型に沿って書くだけですので、ぜひ記事作成に取り入れてみてください。
こちらの記事では、PREP法のやさしい書き方を例文を使って丁寧に解説しています。
1文の長さは40~60文字になってる?適切に「句読点」や「体言止め」を使おう
読者が読みやすいのはなるだけ短い文章です。
できれば40文字程度に収めるようにし、長くても60文字以内にします。
1文が長い、また主語と述語が遠いような文章は読者に頭を使わせてしまいます。
読みにくい文章があると、それ以上読んでもらえなくなる確率が上がってしまいますよね。
読みやすい1文にするためのコツ以下の通りです。
- 40文字以上になるときは、読点「、」を一つ以上使おう
- 句点「。」や体言止めを使って、1文を2文に分けよう
ひとつずつ解説します。
40文字以上になるときは、読点「、」を使おう
読点「、」はどこで打てばよいのか、例文を用いて解説します。
読点を打つ目安① 漢字やひらがなが続いているところ
●犬はこわがってしまったようで、びくびくとした表情を浮かべて去っていった。
●ブログは簡単に始められる反面、継続しづらいという欠点もある。
読点を打つ目安② 文の頭の接続詞のあと
●しかしながら、WEBライターという職業は急速に需要が増えている。
●かたや、WEBライターは企業や個人のウェブサイトにおいて、文章を作成する専門家である。
●一方、ブロガーは自らのブログを運営し、自由な発想で記事を書くことができる。
読点を打つ目安③ 声に出した読んだ時に自然と言葉を区切るところ
次の文章を声に出して読んでみると、自然と間を空ける箇所があると思います。そこに、読点を入れてみてください。
「WEBライターは企業や個人のウェブサイトに専門的な文章を提供する一方でブロガーは自身の意見や情報を発信することが主な役割です。」
(答え:読点を入れる場所は、「提供する一方で」の後)
句点「。」や体言止めを使って、1文を2文に分けよう
先ほども使用した文章を、今度は「句点」と「体言止め」で2文に分けてみましょう。
(原文)
「WEBライターは企業や個人のウェブサイトに専門的な文章を提供する一方でブロガーは自身の意見や情報を発信することが主な役割です。」
①句点で2文に分けてみる
WEBライターは企業や個人のウェブサイトに専門的な文章を提供します。
一方ブロガーは、自身の意見や情報を発信することが主な役割です。
②体言止めで2文に分けてみる
WEBライターは企業や個人のウェブサイトに専門的な文章を提供。
一方ブロガーは、自身の意見や情報を発信することが主な役割です。
体言止めは連続使用禁物ですが、とても便利な表現方法です。
体言止めに関しては、詳しくこちらの記事で解説しています。
要らない言葉を削ろう!
次に文章の中に「要らない言葉」がないか探してみましょう。
徹底的に無駄をそぎ落として、文章のダイエット化を図るということです。
こうすることで文章全体が引き締まります。
もちろん文章の種類によって様々な文体がありますし、表現方法も色々です。
そぎ落とした文章が素っ気ない印象になってしまってサイトの雰囲気に合わないのであれば本末転倒なので、それぞれのメディアに合わせた文章の書き方を考えてみてください。
では具体的にはどのような無駄を削ればよいのでしょうか。
①なくても意味が通じる「接続詞」
私も良く「したがって」「つまり」「このため」など、無意識のうちに使ってしまいます。
接続詞はもちろん必要なところには必要ですが、無くても意味が通じる場合にも使っていることがあるのです。
例文)
ChatGPTは、自然言語処理の最新技術であるGPT-3.5をベースにした、人工知能のチャットボットです。
このため、ChatGPTは人工知能の先端を行く会話パートナーとして活躍しています。
不自然な文章ではありませんが、実は「このため」が無くてもスムーズに意味が通りますよね。
こういった接続詞をどんどん削ることで文章のスリム化が可能。
読者への負担を減らして大切な情報のみをきちんと伝えられる文章になります。
ただし!「しかし」などの逆説的な意味をもつ接続詞に関しては削りません。
こういった接続詞を削ってしまうと意味が通らなくなってしまうからです。
②二重表現
二重表現とは、同じ意味の言葉を重複して使ってしまっている表現のことをいいます。
「重言」や「重複表現」ともいわれています。
分かりやすい二重表現の例
永久に不滅
頭痛が痛い
長い時間にわたる年月
静かな沈黙
最後の切り札
言葉の意味がダブっていますね。
「不滅」には「永久」という意味が入っていますので、本来は必要ありません。
長島茂雄さんの名言をもし訂正するのであれば「我が巨人軍は不滅です」となります。
(個人的には「永久に不滅です」のほうがドラマチックな表現なので好きですが)
「炎天下の下(もと)…」などもよく使いますが、二重表現です。
意外と気付かずに使ってしまうことが多いので、難しいですね。
また、二重表現に気付きにくい文章としては以下のようなものが挙げられます。
「質の高い睡眠は、次の日の仕事や生活にそのまま直結する重要な要素です。」
ここで二重表現になっているのは「そのまま」の部分です。「直結=そのまま結びつく」ことですので、「そのまま」という言葉は削除しても問題ありませんね。
文法的に間違っているわけではありませんが、文章をスッキリとそぎ落とすためにはこういった表現を削除していく必要があります。
「今現在の様子は・・・・」
「画像に加工を加える」
なども二重表現になりますので、注意深くチェックしてみましょう。
③無くても良い主語や修飾語
無くても良い主語や修飾語とはどのようなものでしょう?
「彼女は自らの意志に基づき、海外留学を決めた。」
「彼女の意思」であることは明らかなので、ここでは「自らの」を削除することができます。
しかし、この「自らの」が入っているほうがより彼女の強い意志であることを感じます。
極限まで文章をスリム化したい場合は削っても良いですが、文法に間違いがなければ臨機応変な対応でも構わないと思っています。
もっと良い表現方法がないか、探ってみよう
「もっと良い表現」というのは、読者に伝わりやすく読みやすい表現のことをいいます。
推敲の際には以下の点にも注意してみてください。
- 同じ語句や表現が繰り返されていないか?(私の友達の学校の先輩の話では→私の友達が通う学校の先輩の話では)
- 文末が単調になっていないか?(~です。~です。~です。 ⇒ ~です。~なのです。~でしょう。)
- 冗長な言葉がないか?(例:~することができる ⇒ ~できる)
- 読者の興味を引き、感情を刺激するような表現ができているか?
- 文章全体のレイアウトや行間・段落の使い方(改行)などは適切か?
- ひらがなで言い換えられる二字熟語がないか?(例:増加する ⇒ 増える)
文章をさらに説得力のあるものに出来ないか考えてみよう
外に向けて発信する情報(記事)には、時には強い説得力が必要です。
そのような記事を書いた時には推敲の段階で「さらに説得力のあるものにならないか?」と考えてみます。
- どのような立場や意見なのかを明確にし、自信を持って主張できているか
- 信頼性の高い情報源からの引用データを用いているか
- 読者が抱く可能性のある疑問を予測し、それに対しての答えを書いているか
- 読者の感情に訴えかける文章が書けているか
- 適宜、表や図解(画像)などを用いて説得力を高める工夫をしているか
推敲の段階で再度確認し、ブラッシュアップできるところはするようにしましょう。
文章に「表記ゆれ」が無いかチェックしよう
次に、「表記ゆれ」について解説します。
表記ゆれとは?
同じ表現や言葉の書き方が、記事内で統一されていないこと
表記ゆれの例)
「ひとつ」と「一つ」や「1つ」
「打合せ」と「打ち合わせ」
「問い合わせ」と「問合せ」
「スマートフォン」と「スマホ」
「WEBライター」と「webライター」
「ヴァージョン」と「バージョン」
「解約」と「キャンセル」
「ございます」と「御座います」
「Excel」と「エクセル」
同じ記事内では、これらの表記は統一しましょう。
また単語だけではなく、文末の表現についても統一する必要があります。
「~だ」「~である」
「~です」「~ます」
「ですます調」なのか「だ・である調」なのかはクライアントの指示に従い、統一してください。
WEBライターの「推敲チェックリスト」
おすすめ推敲の流れ
①1回目の推敲(問題の発見と修正)
②校正ツールを使ってチェック
③2回目の推敲(チェックリストで仕上げ)
推敲チェックリスト
- 話の要点がズレていないか(伝えたかったことがきちんと伝えられているか)
- 声に出して読んだときに詰まる箇所がないか
- 文体は統一されているか(ですます調など)
- 文末が繰り返されていないか(~です。~です。3回以上連続していないか)
- 1文は40文字程度におさまっているか(多くても60文字くらいに。読点を使ったり2文に分けたりしよう)
- 漢字の使い方や熟語の使い方、アルファベットに間違いはないか(きちんと辞書で調べよう)
- ひらがなで言い換えられる漢字はないか(減少する→減る)
- 二重表現はないか(頭痛が痛い→頭痛がする、頭が痛い)
- 難しい言葉ではなく、親しみやすい言葉を使っているか(旅客機・航空機→飛行機 ※記事の専門性によって変える)
- 無くても意味の通じる「接続詞」を使っていないか
- 「~する事」「~する時」などが、ひらがなになっているか(「~すること。~するとき)
- 語句や文節が重複(繰り返し)されていないか
自分でチェックしたあとは、校正ツールでもチェックしてみましょう。
見落としていた誤字脱字や表記の誤りが見つかるかもしれません。
校正ツールは「文賢」をおすすめします。
自分のチカラだけでは限界がありますので、どんどん便利なツールにも頼りましょう。
文賢はウェブライダーの代表取締役で「沈黙のWebライティング —Webマーケッター ボーンの激闘— アップデート・エディション」の著者でもある松尾茂起氏がプロデュースしている文章作成アドバイスツール。
推敲のみならず、文章品質の底上げにも大きく活用できます。
WEBライターとしてのレベルを上げるなら、ぜひ検討してみてください。
\WEBライティング力の底上げに。文章作成アドバイスツールなら/
アカウント作成したその日から全機能が使える
WEBライターは推敲を何度するべきだろうか?
ブログ記事でもそうですが、クライアントに納品する記事はなおさら、何度も読み返してしまいますよね。
見直しても見直しても不安になる時があります。
もちろん何度でも見直す時間があれば良いのですが、そういう訳にもいきません。
自分自身で「よし、これで仕上がりだ!」と『終わり』決めることが大切。
だらだらとなんとなく推敲をしてしまうと時間ももったいないですし、逆に大きな間違いを見落としてしまうことにもなりかねません。
またその日の自分の状態によって、文章から受ける印象も変わります。
昨日は「良い文章ができた」と満足していたはずなのに、今日になって読み返してみると「この文章気に入らないな」と思うことも…。
キリがないですよね。
よって推敲はルールを決め、フレームワーク化することをおすすめします。
その場合はぜひ、今回の推敲チェックリストを活用してください。
また推敲の回数ですが、私が考える推敲の回数は2回~3回までです。
ルール化できていれば、2回でも構わないと思っています。
またWEBライターの記事はクライアントの意向に左右されますので、最初の方はクライアントからの修正をあまり恐れないようにしてください。
記事の修正依頼を受けるうちにクライアントが求める文体や表現方法なども分かってきます。
最初から表現方法などに気を遣い過ぎなくても良いと思いますよ!
先ほどご紹介した校正ツールなども上手に活用して、推敲作業をラクラク効率化させましょう。
WEBライターの推敲は、ルールに沿ってチェックリスト活用!
今回はWEBライターの推敲について解説しました。
私もWEBライター初心者のうちは推敲にもとても時間がかかり、ヘトヘトになっていました。
それだけ時間をかけたにもかかわらず、クライアントから修正の指示が出た時は落ち込みましたし。
何度も確認したにもかかわらず、すごい間違いをしてるんですよね。あれは一体どういうことなのでしょう。。?
しかし私達は人間なので、間違いはつきものです。
チェックリスト、校正チェックツールなどを活用しながら、効率的に推敲を行いましょう!
それでは本日はここまでとなります。お読みいただきありがとうございました。